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機械摘がまずいのは誰のせい?

機械摘といえば

まずは機械摘のイメージを聞いてまわりました。マイナス概念ばかり先行してるようです。

△ 安い、まずい、安物、初心者、香料・・・

でもよく考えてみてください。茶農がわざわざ安物を作ろうなんて思いますか?

なぜ手摘しないか

機械摘する主な理由は以下のとおりです。

  • △ 茶園が広いから
  • △ 摘茶娘の確保が難しいから
  • ◎ 最良のタイミングで摘茶できるから
  • ◎ 大量だと製茶コストが抑えられるから

摘茶で重要なのはタイミング。手摘だと摘茶に半日以上かかるため、はじめの方に摘んだ茶青(原料茶)はじわじわ発酵が進んでしまうという欠点があります。それをカバーするには大勢の摘茶娘を雇わなくてはいけませんし、また天気が急変しようものなら茶青は台無しです。

一方、機械摘は瞬時にそして大量に摘茶できる点で茶青の品質にブレが少ないのです。お茶は天・地・人の結晶と言われますが、中でも最もコントロールが効かない「天」が捉えやすくなるのです。

手摘より価格は安くなっても、リスクを抑えられるメリットを考慮するとトータルで手摘よりも収益が多くなる可能性があるのです。茶農は機械摘を「選択している」のです。

評価方法の違いは?

機械摘と手摘では味わいが異なります。

機械摘には成熟した茶青も若い茶青も合わさって一つ味わいが構成されています。手摘は茶葉一片一片の味わいです。同じグラム数を計量すると、機械摘の方が粒数が多くなります。その分だけ機械摘は味覚の構成要素がたくさんあるということです。上級者でしたらこの違いを識別できるかもしれませんが、普通は飲んでもほとんど気付かないと思います。

では、粒が多いから機械摘は安物なのでしょうか?

いいえ。実は全く関係ありません。両者の違いは構成要素が多いか少ないか、ただそれだけ。品質の評価法はこれまで何度もお話してきました。手摘も機械摘も同じです。こちらで復習しておきましょう。

茶葉鑑定 きほんのき

抽出の違いで言えば、機械摘は葉面を切断するため1煎目からしっかりした茶湯が得られます。しかしわるいロットでは雑味が極めて現れやすいのも事実。一方の手摘は、良品は葉先の甘みから茎のキレまでがムラなく抽出されます。しかしわるいものは渋さや生臭さが突出したり、色ばかりで茶質がスカスカなものが多いです。

機械摘がまずいのは誰の責任か

要するにバイヤーの鑑定力なんです。

機械摘は良いロットと悪いロットの差が顕著です。正しい機械摘を選べないバイヤーに手摘が選べるわけありません。皆さんも手摘だからと買ったのに、期待を裏切られた経験をお持ちでしょう。初めての店では一番安い機械摘を試しましょう。

ネットで調べても機械摘を正しく伝えている店はほとんどありません。「手摘だから」「粒が大きいから」「有名茶師だから」とか書いてるのは何も分かってない証拠です。

皆さんからお送りいただいた機械摘も、茶質がなく苦味やえぐ味の残るものばかりでした。葉脈の水分が追い出しきれてなくて生臭さが際立ち、冷めると酸味に変化するのとか・・・ なんでこんなの仕入れるかなぁ、と首を傾げてしまうことも。

売り手がこうだから、皆さんが「機械摘はまずい」という偏った認識を持ってしまったのです。

本当は安くておいしい

今回、できるだけ色んなお茶に触れてもらおうと、四季春・翠玉・金萱のサンプルを集めて私が1ロットずつ選びました。そして真空状態で熟成させて少し落ち着きを持たせました。今がまさに飲み頃です。1袋850円。たっぷり40g入り。

機械摘はこれが当店初入荷となります。万が一、今まで口にした機械摘で一番美味しいものでなかったら開封後でも返品してください。

機械摘の概念が180度変わります。

メルマガ 2008/10/11号より

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