台湾高山茶のみくらべセット
A:武陵茶区(2200m)
予熱した茶器に茶葉を入れると、贈答用の果物のように、瑞々しい香りが立ち上がります。
口に含むと、ネクターのようなとろみと、複合的な甘みが重なり合って広がっていくようです。
さすがは、標高2000mを越える高冷茶。きめ細かい質感とともに、潤いを帯びた余韻が長く続き、茶液が冷めてくると、柑橘を思わせる爽やかな風味が顔をのぞかせます。
一杯の中に、様々なストーリーが詰まっています。
B:翠峰茶区(1700m)
最初の印象は、ミルキーな濃厚さ。
そこに、木質香と呼ばれる針葉樹林のような清涼感が調和し、まるで森の中で深呼吸をしているように安らぎます。
甘さと清涼感の対比が美しく、口の中で、自然の息吹が静かに広がっていきます。
C:杉林渓茶区(1600m)
ジャスミンの花のようにやさしく、清らかな印象の香りです。
透明感のある味わいの中から、茶葉本来の甘みがまっすぐに伝わってきます。
引き際は凛として、パイナップルを思わせるジューシーな余韻が軽やかに残ります。
(2025年10月25日発売)