ありさんこうざんきんせんちゃ
阿里山高山金萱茶
金萱のミルク香は幅広い世代に支持されています。一口にミルク香といってもタイプがあり、阿里山茶区はスチームミルクのようにキメが細かい香りです。発酵、焙煎はやさしめで、心地よい甘みが鼻先から抜けます。
これに高山茶園の魅力が加わると、透明なのどごしとスッとした爽快感が引き立ちます。茶葉の旨みに溶け込んだ天然の甘さは、なんとも心地よいものです。
新茶レポート
クリーミーできれいな味わいがする金萱茶です。品種香はキンモクセイのような温かみのあるタイプの甘さで、秋冬にぴったりです。
冷めるほどに甘さの凝縮味が増していき、ついにははちみつを舐めているような錯覚に陥ります。口の中がいつまでも心地よく、ついつい後を引くお茶です。(2024年9月28日入荷)
本物はまるで違う
爽やかなミルク香がどこまでも心地よい高山金萱茶
こんな経験はありませんか?
封を開けた瞬間からむせるようなバニラの香り。お湯を注ぐと、お茶とは思えないような強烈な甘いにおい・・・
次に、鼻をつまんで飲んでみてください。本当にお茶の味がしますか?お湯の味しかしなかったら、そっと手を離してください。強いバニラ香が戻ってきました?
それは人工香料です。
台湾茶ビギナーにも人気の金萱。その「甘い」というイメージから、粗悪品に香料をまぶしたニセモノを扱う業者がたくさんあります。人工香料は表面的・直接的に嗅覚をごまかすだけです。正しい金萱の甘さは、茶湯に含まれる味わいとしての甘み、つまり味覚で感じるものなのです。
正直申しますと、私は金萱が嫌いでした。日本のお店で初めて金萱を飲んだ感想は、甘ったるいの一言。蓋碗のふたから漂う香りだけで身体が拒否反応を起こしてしまいました。それ以降、金萱はずっとトラウマになっていました。
しかし、店主が台湾で品質鑑定を学び、選んだ金萱茶は違いました。金萱の概念が一変しました。
阿里山茶区は土質が良好で、くどい甘さは全くなく、青心烏龍のような清香をも備え持っています。金萱は単位面積あたりの製茶量が多いため、青心烏龍の阿里山高山茶・雲香 [軽火]として出されることもしばしばあります。
金萱には金萱の、青心烏龍には青心烏龍の美味しさがあります。金萱の滋味に含まれるどこまでも上質な甘み、そして奥行きのある旨みは金萱ならでは。初心者向きなどとよく言われますが、一口にそう決め付けるものではないと思います。
喉元にも届く輪郭のあるミルク香の梅山金萱茶、熟果系の樟樹湖高山金萱茶と飲みくらべてください。同じ品種でも土壌や環境によって味わいが異なります。
金萱は本来、芽の生育にばらつきが少なく機械で収穫するのに適した品種です。当店は手摘みにこだわり、滋味に富んだ1ロットを選りすぐりました。
人気の阿里山高山金萱茶、ぜひお試しください。
お茶のデータ
商品名称 | 阿里山高山金萱茶 ありさんこうざんきんせんちゃ |
生産地 | 嘉義縣阿里山郷 |
茶樹の品種 | 金萱 |
摘茶時期 | 2024年春茶:4月中旬 |
茶園の海抜 | 頂湖茶区:1600m |
発酵度 | 軽発酵 |
烘焙程度 | 軽焙火 |
推奨茶器 | 磁器または陶土製の茶壺・急須、蓋碗、マグカップ、グラス |
茶葉の分量 | 茶壺・急須・蓋碗 → 5分の1 マグカップ、グラス → スプーン0.5杯 |
お湯の温度 | 95℃前後 |
時間の目安 (95℃) |
茶壺、急須 → 50秒 蓋碗、マグカップ、グラス → 蓋をして60秒 (2煎目 -10秒、以降 +10秒ずつ) |
阿里山高山金萱茶の2つの楽しみ方
95℃の熱湯で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、少し高い位置からお湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。
マグカップで淹れる → 金萱のように香りが強いお茶は、蓋碗を使うと特徴がよく引き出せます。ゆっくりときれいに開く茶葉の形状からも、品質の良さがご確認いただけます。
ワンポイントアドバイス
口の厚い茶杯で飲むと、金萱の甘み・旨みを強く感じることができます。ぜひお試しください。