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茶葉鑑定 きほんのき2・葉底とは

葉底(yie di)とは茶殻のことです。茶底(cha di)とも呼ばれます。4煎まで淹れた茶殻を観察してみます。淹れ方は、メルマガ前号のテイスティングに従いました。

茶葉鑑定 きほんのき3・茶質とは

「うまい・まずい」ではなく、「よい・わるい」

まずは「うまい・まずい」と「よい・わるい」の違いをしっかり認識しましょう。そして、「よい」茶葉とは、茶質(滋味成分)が多く、それを一煎ごとにきちんと放出してくれる茶葉を指すのでしたね。

「よい」茶殻は、とても気持ちよい

では、「よい」茶殻には、どのような特徴があるのでしょうか。

まず、茶葉からたくさんの滋味成分が水に溶け出してますから、柔らかくしんなりします。人間で例えると「最適な環境下で力を振り絞って疲れた。それなのに、とても気持ちがよい。」状態です。肉厚であるにもかかわらず、しっとりした茶殻は茶器の内側面に張り付くこともあります。

一方、「わるい」茶殻は、仮に才能(茶質)を持っていたとしても、茶殻は硬いままごわごわ膨れ上がります。つまり、抽出効率が悪く、滋味の放出も不完全燃焼だったということです。茶葉が大きく膨れると「よい茶葉」という人がいますが、それは大きな間違いです。

大きくても小さても「わるい」茶葉

次に、茶葉一枚一枚の大きさと品質の関係を考えます。

キュウリの例でお話しましょう。

市場で最も好まれるキュウリは、全長20cm・重量100g程と言われてます。それより小さくても大きくても市場価値は半減します。その理由は、このサイズ・重量が最も美味しいからなのです。

収穫3日前位からキュウリは著しく肥大します。収穫が数日遅れるだけで、サイズは倍にもなってしまいます。大きくなりすぎたキュウリは、みずみずしさを失い、味もボケてしまいますね。重量(外身)の生長に中身の生長が追いつかず、味の密度が落ちてしまったのです。

つまり、大きすぎる茶葉は味の濃度が落ちます。さらに言うと、生長しすぎた茶葉は決まって硬く、ますます抽出効率が悪くなります。そのため、生育旺盛な夏茶や、シーズン中でも摘茶が遅れた茶葉は評価が低いのです。

では逆に、小振りのキュウリはどうでしょう。若々しく香り高いのは確かですが、旨みや香りの総合的な充実度という点では、ベストサイズのものには劣りますね。

このように、「嫩芽」と呼ばれる先端の柔らかな茶葉だけを集めても、バランスに優れず評価は下がります。茶葉は若ければよい、というわけでもありません。

もちろん理想的な茶葉の大きさは品種によって異なります。佛手はかなり大きめですね。

茶葉鑑定きほんのき -総まとめ

最後に、画像を見ながらおさらいします。2サンプルの茶殻を観察をしました。

茶葉鑑定 きほんのき

茶葉の品質は外観で決まるのではなく、むしろ逆です。外観は中味を映し出す鏡なのです。茶葉鑑定は、どこまで掘り下げてもコツやセンスではなく、これらの基本法則の積み重ねなのです。

このような視点でお茶に接しているうちに、茶殻に指を立てるだけで、大方の「よい・わるい」が見えてくるようになるでしょう。

参考資料:『蔬菜園芸の事典』、斎藤隆、朝倉出版

メールマガジン 2004/10/21号より(一部改)

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