きかいつみしきはる
機械摘み四季春
四季春はメリハリある味と清々しい香りを持つ品種です。機械摘み製法との相性がよいです。
軽火向き、中火向きの茶葉をそれぞれ選定し、ていねいに焙煎しました。飲みくらべをお楽しみください。抽出目安は1煎目40秒、2煎目20秒、以降+15秒。高温でサッと淹れるのがコツです。
2020年冬茶レポート
軽火:花束のように湧き上がる香気、みずみずしい味わい。機械摘みのメリットをいかんなく発揮して、四季春の個性をうまく立てることができました。
中火:匠の焙煎によって、れんげはちみつのような上品な甘さが際立ちました。手摘み茶と勘違いしてしまうほど安定した抽出が得られます。
機械摘みは安物?
それは完全に間違ったお茶選びです
機械摘みといえば・・・
機械摘みは好きですかと質問すると、さえない表情で返されることが多いです。「安い、まずい、安物、初心者、香料・・・」 でもよく考えてみてください。農家がわざわざ安物を作ろうと思いますか?
機械摘みの大きなメリットとは
機械摘みをする主な理由を挙げてみます。
- 手摘みは摘茶娘の確保が難しいから
- 広い茶園で大量生産できるから
- ベストタイミングで摘茶できるから
摘茶で重要なのはタイミング。手摘みは摘茶に半日以上かかるため、はじめの方に摘んだ原料茶はかごの中でじわじわ発酵が進んでしまいます。それをカバーするためには大勢の摘茶娘を雇わなくてはいけません。もし途中で天気が急変しようものなら茶葉は台無しです。
一方、機械摘みは短時間で収穫できるため品質がブレにくくなります。お茶は天・地・人の結晶と言われますが、中でもコントロールがきかない「天」を捉えやすくなるのです。
取引価格は手摘みより安くなったとしても、リスクとコストが抑えられる分、結果的に手摘みより大きな収益を生む可能性があるのです。つまり農家は機械摘みを「選択している」のです。
機械摘みは消費者側にも大きなメリットがあります。(コラムに続く・・・)
お茶のデータ
商品名称 | 機械摘み四季春 きかいつみしきはる |
生産地 | 南投縣名間郷 |
茶樹の品種 | 四季春 |
摘茶時期 | 2020年春茶:3月下旬 2019年冬茶:10月中旬 2019年春茶:3月下旬 2018年春茶:3月下旬 |
茶園の海抜 | 300~400m |
発酵度 | 軽発酵 |
烘焙程度 | 軽焙火、中焙火 |
推奨茶器 | 各種茶壺、テイスティングカップ、蓋碗 |
茶葉の分量 | 茶壺 → 4分の1 テイスティングカップ、蓋碗 → 底が隠れる程度 |
お湯の温度 | 98℃前後 |
時間の目安 (95-100℃) |
茶壺 → 40秒 テイスティングカップ → 蓋をして40秒 (2煎目 -20秒、以降 +15秒ずつ) |
機械摘み四季春の3つの楽しみ方
茶壺で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、お湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。
テイスティングカップで淹れる → 先に熱湯でカップを1分以上温めておきましょう。機械摘みは抽出が良いので時間をやや短めにします。
ワンポイントアドバイス
どのお茶も鑑定方法は同じです。つまり機械摘みが正しく選べない店は、高級な手摘みも選べません。茶葉鑑定 きほんのきで復習しましょう。