ありさんこうざんきんせんちゃ
阿里山高山金萱茶
金萱種のミルクのような香気は幅広い世代に支持されています。阿里山茶区は、スチームミルクのようにキメが細かい香りが特徴です。発酵、焙煎はやさしめで、心地よい甘みが鼻先から抜けます。
品種の個性に高山茶園の魅力が加わって、透明感とスッとした爽快感が引き立ちます。茶葉の旨みから湧き上がってくる天然の甘さは、なんとも心地よいものです。
新茶レポート
標高1400mの茶園から、今年もとっておきの茶葉をセレクトしました。金萱種の栽培地としては概ね最高地点で、「高山茶ならではの風格」と「金萱種のやさしい個性」の両方が、絶妙なバランスで楽しめます。
これが青心烏龍種の高山茶だと言われたとしても、多くの人は疑いを持たないでしょう。それほど舌ざわりは緻密で、味わいは凝縮感に満ちています。
このエリアの金萱種は、例えるなら、バニラやクリームのようなねっとりした甘さではなく、空気の澄んだ山の上で、静かに香る一輪の甘い花。そんな控えめな香りが、ふわりと広がります。口にそっと茶液を含むと、口中がしっとりと潤い、ゆっくりとその甘さが喉へと届きます。
ゆらゆらと波のようにやさしく続く甘さを、どうぞ最後までご堪能ください。(2025年7月5日入荷)
本物はまるで違う
爽やかなミルク香がどこまでも心地よい高山金萱茶
こんな苦い経験はありませんか?
封を開けた瞬間からむせるようなバニラの香り。お湯を注ぐと、お茶とは思えないような強烈な甘いにおい・・・
そのお茶を、鼻をつまんで飲んでみてください。本当にお茶の味がしますか?お湯の味しかしなかったら、そっと手を離してください。強いバニラ香が戻ってきましたか?
それは人工香料のお茶です。
台湾茶ビギナーにも人気の金萱。残念ながら、粗悪品に香料をまぶしたお茶を扱う業者がたくさんあります。人工香料は表面的・直接的に嗅覚をごまかすだけです。正しい金萱の甘さは、茶湯に含まれる味わいとしての甘み、つまり味覚として感じる甘みなのです。
実は、私も以前は金萱が嫌いでした。日本のお店で初めて金萱を飲んだ感想は、甘ったるいの一言。蓋碗のふたから漂う香りに、身体が拒否反応を起こしてしまいました。それ以降、金萱はずっとトラウマになっていました。
しかし、店主が台湾で品質鑑定を学び、そこで出会った本物の金萱茶は、全く違うものでした。
阿里山茶区は土質が良好で、くどい甘さは全くなく、青心烏龍のような清香をも備え持っています。滋味に含まれる上質な甘み、そして奥行きのある旨みは金萱ならではといえます。
金萱種は、土壌や環境によって異なる個性が楽しめます。飲みくらべは、温かみのあるミルク香の梅山金萱茶、熟果系の樟樹湖高山金萱茶がおすすめです。
金萱種は生育のばらつきが少なく、機械による収穫に適した品種です。しかし、当店は滋味に富んだ手摘みにこだわり、店主が台湾へ赴き、最高の1ロットを選りすぐっています。
人気の阿里山高山金萱茶、ぜひお試しください。
お茶のデータ
商品名称 | 阿里山高山金萱茶 ありさんこうざんきんせんちゃ |
生産地 | 嘉義縣阿里山郷 |
茶樹の品種 | 金萱 |
摘茶時期 | 2025年春茶:4月下旬 |
茶園の海抜 | 1400m |
発酵度 | 軽発酵 |
烘焙程度 | 軽焙火 |
推奨茶器 | 磁器または陶土製の茶壺・急須、蓋碗、マグカップ、グラス |
茶葉の分量 | 茶壺・急須・蓋碗 → 5分の1 マグカップ、グラス → スプーン0.5杯 |
お湯の温度 | 95℃前後 |
時間の目安 (95℃) |
茶壺、急須 → 50秒 蓋碗、マグカップ、グラス → 蓋をして60秒 (2煎目 -10秒、以降 +10秒ずつ) |
阿里山高山金萱茶の2つの楽しみ方
95℃の熱湯で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、少し高い位置からお湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。
マグカップで淹れる → 金萱のように香りが強いお茶は、蓋碗を使うと特徴がよく引き出せます。ゆっくりときれいに開く茶葉の形状からも、品質の良さがご確認いただけます。
ワンポイントアドバイス
口の厚い茶杯で飲むと、金萱の甘み・旨みを強く感じることができます。ぜひお試しください。