とうほうびじん
2022東方美人SP
初夏の数日間だけ作られる、貴重な台湾茶です。
白い新芽が輝きます。茶湯はダージリンのような鮮やかな橙色。やわらかく、余韻は蜂蜜のニュアンス。この美味しさが10~30煎続きます。
東方美人は時とともに味わいが深まります。2021~2018年は水蜜桃香、2017~2014年は花蜜香、2013年以前のものは老茶の円熟味が光ります。
新旧のみくらべをお愉しみください。
2021年Lotコメント
産毛に抱かれた新芽が輝きます。茶湯はつややかな黄金色。口に含むといきいきした高発酵の甘みに包まれ、わずかに遅れてファーストフラッシュのハーブ感が追いかけます。包容力のある滋味はミントのニュアンスを抱きながら甘く転化し、なめらかな質感が現れます。余韻の奥にある洋酒漬けレーズンのような複雑味がどう育っていくか、期待が膨らみます。(2022-9-22入荷)
ここでしか飲めません!
年1回の仕入れに、店主が全身全霊を注ぎました
東方美人の正式名は白毫烏龍です。椪風茶、香檳烏龍、オリエンタルビューティーなどとも呼ばれます。かつて15kgの東方美人で家一軒が建つほど、希少価値の高いお茶でした。現在ヨーロッパでは紅茶では満足できない通のお茶として愛飲されています。
東方美人という名称は、英国ビクトリア女王が命名したと言われています。水晶グラスで淹れた白毫烏龍の、ゆらゆら舞い踊る茶葉に感動して、オリエンタルビューティー(東方美人)と呼んだそうです。(『台湾茶』、猫頭鷹出版)
良質な東方美人の摘茶・製茶は初夏の数日間だけしかできません。梅雨になると増殖する害虫ウンカが新芽をかじるとチャの成長が止まり、芽は丸くよじれ、黄色く変化します。同時にウンカは新芽に特殊な分泌物質を含ませます。農薬を散布するとウンカも死んでしまうので、管理が悪い茶園ではこのデリケートなお茶は作れません。
これを茶摘みおばさんに灼熱の太陽に耐えてもらい、一芯二葉で丁寧に摘み集めます。
ウンカが噛んだ小さな新芽を見極めるのはプロの技です。熟練工が一日かけても完成品300gの新芽を摘むのが精一杯。それゆえ良品の流通量はごくわずかです。
東方美人を選ぶポイント
良質な東方美人が流通するのは5月下旬~6月中旬のほんの数日間。早くてもダメ、遅くてもダメ。先行して流通する新品種はコクが弱く、熟成には適しません。遅すぎても茶葉は徒長して硬くなってしまいます。
当店の東方美人は、台北縣石錠エリアで青心烏龍という品種で作られています。青心烏龍で作る東方美人は口当たりが繊細で、喉がしっとり潤います。
仕入れは年1回、青心烏龍の初回製茶分から最高の1ロットをキープ。再入荷はできませんので、完売後は翌年7~8月までお待ち下さい。当店の東方美人はコンテスト受賞茶を上回る品質を保証します。お手持ちの最高級の東方美人と比較してください。
東方美人の抽出は90℃のお湯がおすすめです。しっかり沸かしたお湯を、ポットや別のやかんに移せば90℃のお湯が完成です。抽出後は三温度帯(熱々・ぬるめ・冷まして)で味わいます。
少し冷めかけた頃にに完熟果実の甘さが表面に現れます。薄荷(ハッカ)を思わせる清涼感の残香は、害虫ウンカの賜物。ウンカのおかげで東方美人は飲み飽きないのです。
お茶請けとの相性も抜群。パウンドケーキやマンゴープリンをはじめ、洋菓子にも和菓子にも合います。東方美人でティータイムを贅沢に彩りましょう。
お茶のデータ
商品名称 | 2022東方美人SP とうほうびじん |
生産地 | 台北縣石錠郷 |
茶樹の品種 | 青心烏龍 |
摘茶時期 |
2022年:6月上旬 2021年:6月上旬 2020年:6月中旬 2016年:6月上旬 2015年:6月上旬 2011年:6月上旬 |
茶園の海抜 | 300〜400m |
発酵度 | 重発酵(70%) |
推奨茶器 | 陶土製の茶壺・急須、蓋碗、グラス |
茶葉の分量 |
茶壺・急須 → 3分の1前後 蓋碗、グラス → スプーン1杯 |
お湯の温度 | 85~95℃ |
時間の目安 (95℃) |
茶壺、急須 → 50秒 蓋碗、マグカップ → 蓋をして60秒 (2煎目 -5秒、以降 +10秒ずつ) |
東方美人SPの2つの楽しみ方
茶壺・急須で淹れる → 予熱した茶器に少しだけ冷ましたお湯を回しかけ、蓋をして蒸らします。お湯をしっかり切って10~30煎は愉しめます。アフタヌーンティーに。和洋問わずお茶請けが進むお茶です。
蓋碗、グラスで淹れる → 茶器を充分に温めてから、高い位置からゆっくりお湯を注ぎます。蓋を開けた時の香りにうっとりするでしょう。
ワンポイントアドバイス
茶殻を水に浸すだけで極上のアイスティーが完成。蜂蜜を加えると東方美人の甘さと相まって風味がアップします。台湾紅茶・鶴岡茶区を半量あわせて作る東方美人ゼリーも絶品。