ぶんさんほうしゅちゃ~くらだしろうちゃ [せんいん]

文山包種茶・存期5年蔵出し老茶#3 [仙韻]

2008年冬茶を寝かせて、2013年に炭火焙煎を施しました。冬茶は新芽が柔らかく後発酵が進行しやすいこともあり、当ロットは5年がちょうど節目となりました。

時とともに旨みは凝縮し、少量でも口いっぱいに充足感が広がります。舌先で熟果系の甘さをきちんと感じつつ、しっとりスムースに口の奥へと進んでいきます。飲み干して一息つくところで、再び余韻の甘さが追いかけてきます。あと引く美味しさです。

店長のコメント

2008年冬茶を5年間寝かせてから炭火焙煎を施しました。店主と焙煎師が力を合わせて完成に至った蔵出し茶第3作です。飲み頃を迎えています。

完売しました
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3作目は炭火焙煎
2008年から見守り完成に至った1ロット

文山包種茶を5年間熟成させると、後発酵がじわじわ進んで枝までもが黄色くなります。良質な茶葉は熟成に従って元の土壌の色に近づくと言われており、特に阿里山茶ではその傾向が顕著だと聞きます。

原料茶の選定が正しくできていれば、5年を経て滋味が劣化することはありません。今なお冬茶の旨みを包み込んでいます。

熟成に伴い、新茶当時の「気」はすっかり落ち着いていました。これは、再焙煎してよいというサインです。その「気」を持ち上げるようやさしく炭火焙煎を施してもらうことにしました。

茶商がよく使う「気」という言葉はどうにも解説が難しいのですが、鼻をふわっと包み込む立体感あふれた澄んだ香気、とでも表現しましょうか。高山気のそれと同義と考えても問題ありません。

茶葉の状態をよく観察するためお碗を用意しました。熱湯を注ぐとバラツキなく茶葉が開いていきます。滋味が多く含まれているため、湯気は真上には湧き上がらず、白い膜が水面を覆うようにゆらゆら漂います。レンゲの背から上がってくる香気は雑味がなく純粋そのもの、茶湯は冷めても濁りのない透明度の高い黄金色です。

開いた茶葉にはほどよい弾力があり、原料茶の生長度合いも最適。もし摘茶が2~3日早かったら、茶葉そのものの甘さは薄く何年寝かせても旨みが増幅することはなかったことでしょう。

文山包種茶はさっぱりして物足りないという声を時々耳にします。それは、文山包種茶だからではなく、お茶そのものに美味しさがないからです。よいお茶には必ず喉で感じるコクがあります。

炭火焙煎を施したものは機械焙煎よりも焙煎後の安定度が高まり、滋味そのものの変化は生じにくくなります。何年でも安心してお召し上がりいただけます。炭火焙煎の知識は文山包種茶・水仙SP[炭焙]のページに詳しいです。

熟成茶の違いを知る

当店では過去にも熟成茶を扱ってきました。人気の高い2商品との違いを記しておきます。手許にある方は飲み比べてみてください。

文山包種茶・水仙SP[炭焙]と比べると、今回のロットは青心烏龍種で作られています。そのためボディは穏やかでシルクのような柔らかい舌ざわりです。飲みごたえという点では水仙種には及びませんが、品の良い熟成具合という観点ではこちらが一枚上手です。

古早南港包種茶・石仙気SPと比べると、ボディが控えめに感じるかもしれません。しかし内に秘めた滋味の豊富さと安定度では当ロットが勝ります。まだ焙煎後3ヶ月ですが、時間が経つにつれて魅力がご理解いただけると思います。

秋の夜長にぴったりの1ロット、今ここに完成しました。文山包種茶の熟成茶としては3作目となります。自信を持っておすすめします。

お茶のデータ
商品名称 文山包種茶・存期5年蔵出し老茶#3 [仙韻]
ぶんさんほうしゅちゃ~くらだしろうちゃ [せんいん]
生産地 台北縣坪林郷
茶樹の品種 青心烏龍
摘茶時期 2018年冬茶
茶園の海抜 900m
発酵度 軽発酵+後発酵
烘焙程度 中焙煎(二次火)
推奨茶器 陶土製の茶壺、テイスティングカップ、蓋碗
茶葉の分量 茶壺 → 4分の1弱
テイスティングカップ、蓋碗 → 底が隠れる程度
お湯の温度 98℃前後
時間の目安
(95℃)
茶壺、急須 → 50秒
テイスティングカップ → 蓋をして50秒
(2煎目 -5秒、以降 +20秒ずつ)
文山包種茶・存期5年蔵出し老茶#3[仙韻]の2つの楽しみ方

茶壺で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、お湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。

テイスティングカップで淹れる → 後発酵による茶葉の成熟を理解するのにはテイスティングカップがよいでしょう。性格の似た茶葉と同時に淹れてみましょう。

ワンポイントアドバイス

正しい老茶を売ってるかどうかでお店の良し悪しが判断できます。