もくさくせいそうてつかんのん

木柵正欉鐵観音

鉄観音種の茶樹を用いて、鉄観音製法で作ったお茶を正欉鉄観音と呼びます。鉄観音種の葉は厚手でデコボコしていて、茶殻には弾力があります。

手間を惜しまず、1粒1粒に旨みを凝縮させました。小さな茶杯で飲んでいることを忘れるほど充実した旨みです。その後は回甘(戻りの甘さ)に癒やされます。台湾茶はのどで味わうものだと実感できます。

2019年・春茶レポート

繊細なツヤが美しい茶湯です。滋味に厚みがあり、稠度も高いため、私は大きな期待を寄せています。半年、1年と移ろいをお愉しみください。

2018年・冬茶レポート

発酵、焙煎が効いて冬茶の存在感が光ります。焙煎香には杏子系のニュアンスが交わり、喉韻を誘います。茶湯の濃度・透明度が高く熟成向きです。冷めかけの茶湯のとろっとした舌触りが私は好きです。

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木柵の正欉鉄観音は、驚くほど値が張ります。
その理由は・・・

  • 製茶、焙煎に1ヶ月以上の時間労力を要する
  • 耐寒性に優れない品種で栽培が困難なため、木柵茶区でさえ今では鉄観音種がほとんどない
  • 初製茶は4~5回の焙煎に耐えうる高い発酵度が求められ、熟練茶師でも成功率が低い
世界中を虜にした正真正銘の"喉韻"

木柵鉄観音の魅力は喉韻(hou yun)です。つまり、喉を通った後に戻るハッカのような清涼感桃のような優しい果実香。これが鉄観音の価値を決定づけます。鉄観音は高発酵・重焙煎ではじめて品種特性が現れます。ところが中国の鉄観音に喉韻はありません。だから飲み飽きるのです。

実は、台湾市場に流通している鉄観音のほとんどが、他品種であったり、中国から輸入した鉄観音種を台湾で焙煎したものです。

焙煎は80~110℃の火を茶葉全体に回すよう、熱を調整しながらかごの中の茶葉を攪拌して火を入れ、その後4~7日休ませます。この作業を4回くり返します。

完成までの1ヶ月は片時も茶葉から目を離せません。毎日テイスティングして水分循環と熟成具合をチェックし、次の焙煎のタイミングをうかがいます。

焙煎は熟果香を最大限まで引き出し、茶葉に生命を吹き込みます。熟果香が頂点に達した時点で火から下ろします。この判断が茶師の勝負どころです。ピークを少しでも過ぎ、烤焦味(焦げた臭い)が生じると商品価値はゼロ。これまでの全作業が水の泡です。

焙煎の目的は、酸味を抑えるためとか、味を調えるためといった後ろ向きのものではありません。茶葉が持つ可能性を正しく把握し、より価値を高めていく仕事です。

温めた茶器に茶葉をとったら、ふたを押さえて軽く上下に振ります。そしてゆっくりふたを開け、鼻を近づけると、どこまでも上品な香りが昇ります。これはもう芸術の域です。

「鉄観音は苦い」という概念を吹き飛ばします! 水色は杯の表層にうっすらと油をひいたような輝きを持ち、口に含んだ瞬間に感じる香ばしさの中から、舌で回すにつれて東方美人SPのような柔らかい甘さが現れます。

木柵正欉鐵観音はほうじ茶とは全く違います。匠の焙煎によって凝縮された茶質(滋味成分)をしっかり感じてください。のどを通った後は、のどの奥で広がる完熟果実の喉韻を味わうのが正統な愉しみ方です。

烏龍茶は新鮮さが命という人がいますが、それは間違いです。よいお茶は熟成段階でじわじわ美味しさが増幅し、わるいお茶は直線的に品質が劣化します。時間が経てばお茶の良し悪しははっきりします。当店の木柵正欉鐵観音は5年後でも10年後でも美味しさを保証します。

店主は木柵正欉鉄観音の産地、木柵で茶葉鑑定を勉強しました。それだけに誰にも負けない自信とこだわりを持っています。店主のおすすめ木柵正欉鉄観音、ぜひお試しください。

お茶のデータ
商品名称 木柵正欉鐵観音
もくさくせいそうてつかんのん
生産地 台北市文山區指南路三段(猫空茶区)
茶樹の品種 鉄観音
摘茶時期 2019年春茶:4月中旬
2018年冬茶:10月下旬
2018年春茶:4月上旬
茶園の海抜 300m
発酵度 重発酵(40%程度)
烘焙程度 中焙火~重焙火
推奨茶器 陶土製の茶壺・急須、マグカップ、グラス
茶葉の分量 茶壺・急須・蓋碗 → 4分の1弱
マグカップ、グラス → スプーン0.5杯
お湯の温度 1煎目:100℃
2煎目以降:85~100℃
時間の目安
(95℃)
茶壺、急須 → 60秒
蓋碗、マグカップ → 蓋をして70秒
(2煎目 -5秒、以降 +10秒ずつ)
木柵正欉鉄観音の2つの楽しみ方

茶壺・急須で淹れる → 茶器を充分温めてから、沸かしたてのお湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。2煎目以降は心持ち低温で淹れるといい具合に旨みを引き出すことができます。中国茶用の小さい杯子で飲むときはやや濃い目に、ティーカップなどで飲む場合は薄めに淹れるとおいしいです。

マグカップで淹れる → 先に熱湯でカップを1分以上温めておきましょう。淹れるときは皿などで蓋をすると、茶葉がよく蒸れて香りがアップします。

ワンポイントアドバイス

烏龍茶の成分は徐々に抽出されます。茶器のお湯をきちんと切ることにより、少しの茶葉で何煎でもおいしくいただけます。