しょうじゅここうざんきんせんちゃ・がいん
樟樹湖高山金萱茶 [雅韻]
7年間の熟成を経てお披露目の時を迎えました。
たいへん優れた2011年冬茶を脱気保存しました。定期的にテイスティングして、後発酵の甘さと老茶の風格が現れるのを待ちます。何年待てば良いかは予測できません。茶葉にじっと耳を傾け、茶葉がよしと言うまで待つのです。
2018年冬、その時がやってきました。十分に、均一に後発酵が進んだことを確認して火入れを行いました。後発酵の程度に合わせて中焙煎に仕上げ、熟成味を固定させました。
店主のコメント
7年間の熟成を経てお披露目の時を迎えました。金萱のミルクの甘さが、時間をかけて老茶の甘みへと転化しました。新茶のようなくっきりした金萱の主張はせず、茶葉の旨みの構成要素として金萱の甘さを感じることができます。正しい老茶は入口時に気持ちのよいわずかな酸味を感じます。老茶独特の枯れた風味です。そして次の瞬間、桃のような包容力ある甘さへと変わって口じゅうを潤わせます。身体にやさしく浸透する味わいです。
たいへん珍しい金萱老茶
新茶にはない魅力が芽生えるまで見守り続けました
2018年冬に火入れ
最後に火を入れる理由は2つあります。一つは、保存中にいくらか戻った水分を雑味とともに飛ばして濃度を上げるためです。これにより新茶よりもコクが深まります。もう一つの理由は、気を立たせるためです。落ち着いた滋味にしゃきっとした活性を与えるのです。そうすると老茶らしさが際立ちます。
金萱のミルクの甘さは、時間をかけて、老茶の甘みへと転化しました。フレッシュな新茶のような金萱味は主張せず、茶葉の旨みの構成要素として金萱の甘さを感じることができます。
正しく作られた老茶は、気持ちのよい酸味をわずかに感じます。老茶独特の枯れた風味です。そして次の瞬間、桃のような包容力ある甘さへと変わり、口じゅうを潤わせます。身体にやさしく浸透する味わいです。
わるい老茶とは?
悲しいことに、市場には間違った老茶が広く出回っています。もっとも多いのは、売れ残って劣化したものを老茶だと勘違いして売っているパターンです。簡単に見抜けそうな気もしますが、そこに正しい知識を持たない客がやってくると、老茶があると聞いて嬉しくなり、うっかり買ってしまうのです。
わるい老茶には苦味・酸味に角があります。飲めば飲むほど口がイガイガします。にもかかわらず、雑味を必死に老茶の魅力だと解釈しようとする人がいます。老茶には、よほど人を虜にする不思議な力があるのでしょう。
7年間の熟成を経てお披露目
醸し出された余韻が象徴的で「雅韻」と命名しました。新茶には新茶の、老茶には老茶の魅力があります。どちらがお好みですか。
お茶のデータ
商品名称 | 樟樹湖高山金萱茶 [雅韻] しょうじゅここうざんきんせんちゃ・がいん |
生産地 | 嘉義縣梅山郷太和村樟樹湖 |
茶樹の品種 | 金萱 |
摘茶時期 | 2011年10月下旬 |
仕上げ焙煎 | 2018年10月中旬 |
茶園の海抜 | 1400m前後 |
発酵度 | 中発酵+後発酵 |
烘焙程度 | 中焙煎 |
推奨茶器 | 磁器または陶土製の茶壺・急須、蓋碗、マグカップ、グラス |
茶葉の分量 |
茶壺・急須・蓋碗 → 5分の1 マグカップ、グラス → スプーン0.5杯 |
お湯の温度 | 98℃前後 |
時間の目安 (95℃) |
茶壺、急須 → 40秒 蓋碗、マグカップ、グラス → 蓋をして50秒 (2煎目 -15秒、以降 +10秒ずつ) |
樟樹湖高山金萱茶[雅韻]の2つの楽しみ方
茶壺・急須で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、少し高い位置からお湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。
蓋碗で淹れる → 蓋碗を使うと茶葉の甘さをよく引き出せます。ゆっくりときれいに開く茶葉の形状からも、品質の良さがご確認いただけます。
ワンポイントアドバイス
お湯の温度を心持ち高くしてあげましょう。茶葉が開きやすくなります。