ぶんさんほうしゅちゃ~すいせんSP

文山包種茶・水仙SP[炭焙]

店主と焙煎師が力を合わせ、半年がかりで炭火焙煎茶を作りあげました。奥ゆかしく、どこか懐かしい香気は機械焙煎では出せません。涼しい夜にはいっそうコクが深まり、炭火の神秘的な風合いに心を奪われます。至福のひとときをお約束します。

お茶選びから熟成、焙煎にいたる全工程に関わることで、炭火焙煎の難しさを実感しました。焙煎師の多くが炭火焙煎をしない理由も明らかになりました。

店長のコメント

終売・再入荷の予定なし
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正しく炭火焙煎が施されると、お茶はここまで美味しく

台湾茶ドットネットの台湾茶メルマガ [台湾茶即時報]からの転載です。

台北近郊の文山茶区では、水仙などの伝統種は摘茶量が減少に向かっています。全国的に見ても、病気に強く収量も多い翠玉・金萱などの改良種を導入する茶農が増えています。

実は、私達は知らず知らずのうちに水仙を飲んできています。水仙は青心烏龍に化けて売られることがほとんどだからです。外観も似ているため、青心烏龍ブランドに乗っかってしまう方が良く売れるのです。

でも当店は区別します。

水仙には水仙の、青心烏龍には青心烏龍の最高の表現方法があります。水仙の魅力を最大限まで引き出して仕上げたロットを、別品種として売るのはもったいないです。水仙は口当たりが柔らかく、甘みは強く、クセのない味わいです。東方美人にも似た水蜜系の上品な旨みと、ミントを思わせる心地よい後味が特徴です。

水仙は発酵を強めることで品種特性が現れます。また炭火焙煎にも適性があります。コーヒーにも似た芳しい香気は炭味と呼ばれ、水仙にしかない魅力の一つです。

炭火焙煎は何が違うの?

機械焙煎(オーブン)は密閉空間で焙煎できます。室温や湿度に左右されず、庫内を制御できるという点が優れています。庫内は酸素が少ないため、茶葉の変質がゆっくりで、熱ムラも起きにくいです。機械焙煎は、暖められた空気を循環させることで熱を加えていきます。直接の炎ではないので失火(shihuo)と呼びます。

一方、炭火焙煎の熱は活火(huohuo)と呼ばれます。炭火に灰をかぶせて、その上に茶葉を広げた籠を置いて、昇ってくる熱気で茶葉を焙煎します。機械焙煎と異なり、焙煎中も外気に触れています。つまり加熱と茶葉の酸化が同時に進みます。

炭火焙煎は小屋全体を一つの空間ととらえます。中に入った人間が、すきま風を細かく調整しながら室温・湿度をコントロールします。茶葉の温度を測りながら、籠を移動させたり攪拌したりしながら熱を加えていきます。茶葉をたくさん広げると中が蒸れたり底が焦げてしまいます。少なすぎても熱ムラが生じます。

炭火には炭火独特の香りがあります。熟したアンズのようなコーヒーのような複合的な香りです。その他、炭火焙煎のメリットとして乾燥度が高く保存性に優れていることも挙げられます。

現代の焙煎師が考える焙煎とは?

現代の焙煎師が考える焙煎とは、温度や湿度をメモしながら機械を操り、経験値を積んでいくことです。優秀な焙煎師ほどカンに頼っていません。炭火焙煎は定量化しにくいため、今の焙煎師にはあまり好まれません。

炭火焙煎すれば何でも美味しくなるという発想は、消費者の勝手な期待と思い込みです。炭火焙煎で機械焙煎を超える結果を出すのは容易ではありません。

いざ焙煎

9月下旬の涼しい夜、春から寝かせてきた茶葉を携えて山奥の小屋に入り、焙煎しました。2回目の焙煎は、茶葉の水分循環を待って10月中旬に行いました。計50時間を超す真剣勝負です。

茶葉は新茶よりも黒味がかっています。酸素に触れて熟成したことで生じた色味です。正しく後発酵したお茶は煎が続きます。寝かせた分だけ刺激が抑えられ、お腹にやさしく、身体にスーッと浸透します。食事にもスイーツにも合わせやすく、特にバームクーヘン、モンブランとの相性が良かったです。

茶壷、蓋碗どちらにも向きます。素焼きなら包容力のある味わいが、磁器なら丸い柔らかな味わいが上手に引き出されます。ごくごく飲んでもお腹に響きません。

お茶のデータ
商品名称 文山包種茶・水仙SP[炭焙]
ぶんさんほうしゅちゃ~すいせんSP
生産地 台北縣坪林郷
茶樹の品種 水仙
摘茶時期 2008年4月中旬(2008年春Lot)
茶園の海抜 800m
発酵度 強めの軽発酵+後発酵
烘焙程度 二次火(5~6分火)
推奨茶器 陶土製の茶壺・急須、マグカップ、蓋碗、グラス
茶葉の分量 茶壺 → 4分の1
マグカップ、蓋碗 → 底が隠れる程度
お湯の温度 98℃前後
時間の目安
(95-100℃)
茶壺 → 50秒
マグカップ、蓋碗 → 蓋をして50秒
(2煎目 -10秒、以降 +20秒ずつ)
文山包種茶・水仙SP[炭焙]の3つの楽しみ方

茶壺で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、お湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。

マグカップで淹れる → 先に熱湯でカップを1分以上温めておきましょう。淹れるときは皿などで蓋をすると、茶葉がよく蒸れて香りがアップします。

ワンポイントアドバイス

水仙は後発酵+炭焙で最高の品種特性を発揮します。