ぶんさんほうしゅちゃ~くらだしろうちゃ

文山包種茶・存期3年蔵出し老茶#2

湯気はゆらりゆらりと昇ります。軽く熟成した東方美人の香気と、摘みたてリンゴのフレッシュな香気が交わっています。焙煎後よく寝かせたため茶葉はうっすら紅潮しています。雑味のない、奥ゆきのある味わいは、時間とともに厚みを帯びてきます。1~2年で前作4年老茶(2004年Lot)似た深みを感じられるでしょう。

本物の老茶は飲み飽きません。飲むほどに杯が進みます。前作と区別するため、前作4年老茶の商品名に"#1"を付けました。本商品は#2となります。(テイスティングレポート 2011/4/16)

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2008年から育て続けた2作目、ようやく完成しました

人気を博した2008年春茶の#1と#2。テイスティングのたびに独特の風合いが増していることを確認してきました。期待をこめて、一部を脱気保存のまま更に寝かせてみました。そして2年が過ぎた昨年秋口、熟成感がピークに達し、いよいよ火を入れるタイミングを迎えました。

焙煎直前のテイスティングです。#1は品の良さに磨きがかかりました。後発酵はゆっくりめで、わずかなフレッシュさを残しています。本格的に枯れる入り口に達し、熟果系の旨みが滲み出はじめています。

#2はコンテスト頭等三の受賞茶です。元の茶葉が柔らかかったこともあり、後発酵を経て、陳味が芽生える段階まで熟成していました。茶湯の質感は、すでに絶品の域にまで達していました。

ここでふと思い出しました。なじみの米屋の一言に衝撃を受けた、あの日のことを。

できたての新米には少し古米を混ぜる方が美味しいんだよ。分かるかい?」

詳しく尋ねると、新米にはない"味わいの厚み"を古米が補完してくれて、輪郭が整うのだそう。いったんは納得したものの、どこか半信半疑でした。ところが帰宅後すぐに試してみると、結果は米屋が教えてくれた通りでした。

この理屈を茶葉にも応用できないかと考えました。元々単独で火入れを施すために寝かせた2種類の文山包種茶。どちらも素晴らしいポテンシャルを備えています。適切な配合と適切な焙煎で、お互いの魅力を引き立たせることができれば、より優れた1ロットが作れるのではないかと考えました。

焙煎師に相談し、緻密なテイスティングを経て配合率を決定しました。2度のやさしい焙煎を施して、そこから半年間寝かせて、ついに新しい命が誕生しました。

台湾茶の世界では、大型チェーンでもない限り合堆(ブレンド)は行いません。今回は良いお茶がきちんと熟成し、しかも好条件が整って生まれたものです。

3年以上追いかけ続けて完成しました。ストーリーが凝縮されたこの1ロットに、私は台湾茶の新たな可能性を気付かされました。

どうか大切に味わってください。

お茶のデータ
商品名称 文山包種茶・存期3年蔵出し老茶#2
ぶんさんほうしゅちゃ~くらだしろうちゃ
生産地 台北縣坪林郷
茶樹の品種 青心烏龍
摘茶時期 2008年春茶
茶園の海抜 900m
発酵度 軽発酵+後発酵
烘焙程度 二次火(5~6分火)
推奨茶器 陶土製の茶壺、テイスティングカップ、蓋碗
茶葉の分量 茶壺 → 4分の1
テイスティングカップ、蓋碗 → 底が隠れる程度
お湯の温度 98℃前後
時間の目安
(95℃)
茶壺 → 50秒
テイスティングカップ → 蓋をして50秒
(2煎目 -10秒、以降 +20秒ずつ)
文山包種茶・存期3年蔵出し老茶#2の2つの楽しみ方

茶壺で淹れる → 全ての茶器を充分温めてから、お湯をゆっくり回しかけ、蓋をして蒸らします。茶杯に入っているお湯もかけてあげると、茶器の温度が下がらず、茶葉の開きがよくなります。

テイスティングカップで淹れる → 後発酵による茶葉の成熟を理解するのにはテイスティングカップがよいでしょう。蓋のうらの香りはまるで東方美人のようです。

ワンポイントアドバイス

台湾でも日本でも、正しい老茶を売ってるかどうかでお店の良し悪しが判断できます。